にのくに

アレそうな映画は月曜日なら安いもん、とすっかり味を占めて、わざわざ月曜を待って見に行った。

20:00台スタートだと終わりが22:00を過ぎるからレイトショー価格で普通に1,300円なのに、わざわざauマンデイで1,100円にした上で見た。

 

ゲームの二ノ国を普通に久石譲/ジブリ推しで宣伝しているのを見て目が曇る。二ノ国の売りはプレイできるジブリだった筈で、映画の前にそのことを思い出させるこの宣伝は、一体何を意味しているのだろう。

 

HELLO WORLDの宣伝の後にこのすばの宣伝はきつい。

 

 

ひどい。

 

 

ハルがうざい。映画が始まってから最後までうざい。

 

尺が足りないことを脚本で悪足掻きするのは見苦しい。

 

こんな戦争があるか。最初の突撃で城壁を壊したあの王蟲みたいのはなぜ市街地で暴れず白兵戦になるの? 捕虜になって逃げ出すだけの時間が経過してたの? あの状態で夜を明かしたの?  もう敵が城に入り込んでいる筈なのに、幹部連中は王様の周りで何を遊んでいるんだ。途中思い出した様に出てきた呑んだくれはどこ行ったの?

 

総じて退屈で、車椅子での派手な追跡の意味がわからないし、(主に姫が)どうしてそんなことを言うのか判らず、説明の無い設定が急に引き出され、その設定利用も唐突で、ハルがうざく、異世界で最初に酒場に行くチョイスも判らず、相方に何も言わずに夜の夜中ひとりで姫に逢いに行くセンスも判らず、とにかくハルが鬱陶しく、メイン組の棒読み具合と脇役組の上手さがアンバランスで、ユウが徹頭徹尾両方助ける選択をしているせいでポスターで大きく書いてる「命を選べ」というコピーは全く機能していないし、

 

なんて、全方位突っ込みに疲れてぐったりしていた所へ、追い討ちの様なオチ台詞。ええええ…。

 

 

映画館のすぐ前がポケモンGOのメッカだったので、一心不乱にホエルココイキングを捕った。捕ってはリリース。捕ってはリリース。手元に残したくなるポケモンに出会えず、とぼとぼと駅に向かって歩き出した。

 

2時間。

仮に2時間このキャッチアンドリリースが続いても、それはそれで構わない。無益かもしれないけど楽しいし。無益かもしれないけど、あの映画と同じではない。

 

今日、岩田さんを読み終えた。Webで読んだ話ばかりではあったけど、これだけまとめてあると壮観だ。一部の言葉は画像扱いでKindleでマーカーを引けないのが残念。

総じて、岩田社長はみんなでハッピーになるべく邁進した方だった、と。作り手がハッピーであれば、ハッピーを提供できるだろうと。

 

原作者がセルフ製作でこの映画を作って世に出してしまった……そりゃ、製作総指揮の脚本が元よりまずいことは解っているけど…ことに、ものすごい闇を感じてしまう。

これが誰かをハッピーにできる話だと思ったんだろうか。破綻がない充分な尺の話だとして、この話はなんだ。おめでたい話なのか。ビターなのか。複雑な感情を喚起するタイプの話か。複雑な感情にはなっている。ネガティヴ13割で。黒の濃淡の複雑さというやつで。

 

 

家に帰り着いても、映画に対する「なぜ?」が消えてくれない。いっそ、パンフレットを買ってくれば良かった、と後悔しながら寝ることにした。